
2005年5月27日
首都圏の新築マンション市場は過去11年間、平均8.3万戸程度で推移している。それ以前約20年間の供給数平均4万戸程度であるのを鑑みると、いかに大量の供給数継続なのかがわかる。長引く低金利や金融機関の融資条件の緩和に加え、継続する地価の下落によってその立地はより都心部に向かい、新築マンションは常にその時点での買い得感があった故だ。
2005年も超高層・大型物件が目白押し、供給予測は8.7万戸である。
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長嶋 修
(ながしま おさむ)
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不動産の達人 株式会社さくら事務所
創業者 代表取締役社長兼CEO
さくら事務所とは、国内で初めて「個人向け不動産コンサルティングサービス」をスタートさせた、業界ナンバーワンのリーディングカンパニー。
購入者のみの立場に立った、利害にとらわれない物件調査報告と、購入に関するアドバイスを行う、消費者エージェント企業である。 |
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| 「首都圏マンション供給戸数の推移」 |
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| 出所:不動産経済研究所 |
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近年の販売価格は横ばいだが、より都心へ向かっている立地面を考慮すれば、実質的な値下がり傾向といえよう。
平均面積縮小の背景には、40平米〜60平米程度のシングル・DINKS向けコンパクトタイプの供給増加、加えて供給側が販売総額を上げられないために、面積の縮小に走らざるを得ない事情もある。
鋼材価格をはじめとする建築原価の上昇や、土地仕入れ価格の上昇傾向で、マンション販売原価は上昇基調。しかし価格には転嫁できない今の状況下、努力が続けられているのだ。
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| 「首都圏マンション 平均価格と平均面積の推移」 |
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| 資料:長谷工総合研究所作成 |
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| マンションのグレードは、ここ数年で下落。
外国製のキッチンやミストサウナつきユニットバスなど、過剰ともいえる設備競争でマンションの性能は一見、いかにも上がったかに見える。
しかし実際には、見えない部分、基本構造部分でのグレードダウンが目立つ。例えば本来10階建ての計画であるべきを、階高(天井高)をつめて11階建てとし、販売戸数を稼ぐ。
現在、「売れる物件」と「よい物件」が乖離する一方だ。販売総額へのこだわりすぎから基本構造部分にかかるしわ寄せは本末転倒だと、販売側も気づいていながら、現状を打破できないでいる。
しかしロングスパンでの資産性を重要視し、イニシャルコストの増大を許容する購入者は今後ますます増加し、近い将来には当たり前になるはず。転機はもうすぐやってくるだろう。
最近の購入者は、知識・理論武装がめざましい。弊社のような個人向けコンサルティング会社にフィーを支払い相談する人が行列をつくっている。
そういった中、今後のマンションのキーワードとは何か。ここでは主な2つにふれておきたい
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| 外断熱 |
現在の日本のマンションは内断熱が主流だが、耐久性・快適性等では外断熱に軍配が上がる。ただ、建築費は内断熱に比べ5%〜10%割高。一部のデベロッパーを除き、商品化していないところがほとんどだ。
内断熱マンションの問題点がクローズアップされ、外断熱への世の中の認識が一気に高まると、準備ができていないデベロッパーは取り残されることになるだろう。私がみる限り、この認識には温度差がある。現在時点ではいくつかのデベロッパーは対応不可能だし、施工ができるゼネコンも限られてしまっている。
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| マンション管理 |
| マンション管理に対する意識が急速に高まり、管理の良し悪しがマンションの行方を決めるのだと購入者は意識し始めた。弊社にも日々、管理費削減や修繕に関する多くの相談が、住民で結成される管理組合から寄せられる。
国土交通省は2005年度、マンションの管理状態を客観的に評価する、格付け基準作成に着手する方針を固めた。入居者や入居希望者が修繕の記録や管理費の積み立て状況などを閲覧できるデータベースを整備、場所や間取りに加えて管理の質を基準に、購入・賃貸物件を選べるようにする。修繕や規約改正の記録も整理し、居住者や購入希望者が簡単に管理状況を把握できるようになるものだ。
世間の無関心というぬるま湯に永らく浸かってきた管理会社には、これから大競争の波が押し寄せることとなる。
現在、デベロッパー・関連会社各社のこういった時代の変化に対する意識は二極化している。時代の趨勢を見極め機動的に対応できるところとそうでないところで、近い将来、業績に大きな変化が訪れるのは想像に難くないであろう。
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